盆石とは
はじまりは太古より
受け継がれる石への深い信仰から
細川流の伝書に、『石術四躰』という言葉があります。『石術四躰』とは、「盆山」、「盆庭」、「盆石」、「景砂」の四つの形態を総称したもので、それぞれ発祥と由来が伝わっています。
その中で「盆山」が最も古く、推古天皇の時代に百済国より献上された「博山香炉」の鉢の上に「霊山ノ形ナシタル石ヲ据エ回リニ白砂ヲ敷ク・・・」とあります。日本人が古代から持っていた石に対する信仰がこのような形を取ったと思われます。
「盆石」の確立は室町時代
次に盆庭石(箱庭のようなもの)の時代を経て、足利八代将軍義政により、「盆石」という様式が確立されます。史上有名なのは、銀閣寺の銀沙灘(ギンシャダン)でしょう。庭師の能阿弥、芸阿弥が石庭のミニチュアとして盆石を使ったといわれています。熊本県にある出水神社水前寺成趣園にも石庭が残っています。
町民文化へ定着した江戸時代
盆石を嗜む女性の浮世絵が数多く残っています。江戸時代の盆石は女性の習い事として定着していた様子が読み取れます。
その後、明治の世となり、細川流盆石として受け継がれていきます。